尽きることのない、変化の中で
前回のCD制作において、編集の段階で気付いたことがたくさんありました。
私は何を歌いたいのか?表現したいのか?伝えたいのか?
いったい私はこれまで何をしてきたのだろうか?何を聴いていたのだろうか?
今、自分がしている聴くという作業に比べたら聴いていないに等しいではないか。
自分の見つめる視点がいかに曖昧であったかと。
辛い衝撃でした。

しかし、その安易ではない触発の中、数々の貴重な発見を見い出したのも真実でした。
人間は死にむかって生きているという避け難い事実の中、
肉体は磨耗し迷いながらも、心の見つめる視点を思い続けていると、
何かが積み重なり変化する喜びを感じる瞬間があります。
大切な思いをこめて生み出された音楽を美しい楽器の音色にささえられ、
プロデューサー、エンジニアの手を経て、そしてジャケットにつつまれて・・・
2枚目のアルバム完成となりました。

2007年 秋
稲田 マキ








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